戸隠神社の奥社は、片道約2kmの先を自分の足で歩いて行く必要があります。1月の初旬から4月の下旬までは雪に閉ざされて閉殿しているほど山深い場所にあります。

2025年の開殿日は4月24日、私たちが訪れたのは5月1日です。
旅行に出かけるとき下調べをしないことが多く、今回も閉殿期間があることを知らなかったため、無事に参拝できたのはラッキーでした。

鳥居をくぐって、約1kmぐらい歩くと赤い随神門が見えてきます。
道中、戻ってくる人たちの足元を見ると泥で靴が汚れている方が多く、山登りのような険しい場所があるのかと戦々恐々として歩を進めます。

茅葺きの赤い門が随神門です。
この風景を見て「滋賀の百済寺っぽくない?」と夫婦で話していましたが、調べてみると、神仏習合の名残を感じさせる、もともと仁王門だったそうです。

随神門を越えて杉林の中を進むと、残雪が目立つようになってきました。
この辺りから足元が泥だらけの人が多かった理由を理解し始めました。

参道はきちんと整備されており、普通のスニーカーで問題なく歩くことができますが、この時期は雪溶け水で、ぬかるんでいる場所が所々にあるため、トレッキングシューズなどで訪れるのが正解だったようです。

登りは若い人や運動習慣がある人なら息が弾む程度ですが、50代で運動習慣のないカミさんにとっては、ややきつかったようで、途中で小休止を挟みつつ登りました。

奥社の社殿は、標高1300メートルの豪雪地帯に位置しているため頑丈な作りです。

社殿の背後にそびえている岩山が、標高1904メートルの戸隠山で、山岳信仰、修験道の聖地とされる山です。




参道の中は樹齢400年を超える天然記念物の杉並木が続いており、春の陽射しを浴びながら、杉林を歩いているだけで、めちゃくちゃ気持ち良いです。
ちゃんと調べて行ったわけでもなく、装備も万全じゃありませんでしたが、それでも戸隠神社(奥社)の往復4kmもの参道は、歩いてよかったと思える場所と時間でした。