フィルムカメラ時代は撮った時の設定や構図がすべてだったけど、最近のデジタル写真では撮った後にソフトウェアを使って、色味や明るさを調整している人が多いと思います。でも、背景をぼかした写真を撮ろうと思うと、明るいレンズを使って、F値を小さくするなど、それなりの知識と技術を使う必要があったのではないでしょうか。
そんな背景ぼけですが、撮影後にソフトウェアで背景をぼかしたり、ボケ味を調整できる機能が、Lightroomに追加されました。
まずは調整前の写真。
手前の人型のオブジェから背景まで、それなりに写っています。
今回追加されたLightroomの機能を使うと、手前のオブジェにピントを合わせたまま背景をぼかすことができます。
やり方は簡単です。
ツールバーの右上の「編集」アイコンを選択、そうすると「ぼかし(レンズ)」が表示されるので、「適用」のチェックボックスにチェックを入れるだけ。
「ぼかし量」を調整すれば、大きくぼかすこともできます。
またぼかし量の下にある「ボケ」のアイコンでボケの種類を選べます。左から、
- 円:モダン円形レンズ
- バブル:適度に修正された球面収差による標準的な円形
- 5枚絞り:ビンテージレンズでよく見られる
- リング:レフレックスレンズやミラーレンズでよく見られ、ドーナツとも呼ばれる
- 口径食:特定のレンズにおいて主に周辺減光原因で発生
シチュエーションや好みに応じたボケが選択できます。
バブルを選択。
球状の効果になっているのがわかるのではないでしょうか。
と、こんな感じで撮った写真の背景を手軽にぼかすことができます。
現時点では、被写体と背景の境目や、ぼけの種類に不自然さは残っていますが、AIの精度が上がればより自然に仕上がると思います。
このように技術がテクノロジーに代替されていく範囲は広がっていくので、人間にしかできないこと(何を表現するか、等)がより重要になっていくんだろうなぁ、と改めて考えさせられました。